バーチャルリサイタル!
ロックダウンの発表があってから、6月のこの時期までにはコロナ休憩は終わるのではと勝手に楽観視していたが、屋内での大人数での集会はまだまだ不安。いよいよ、ネット環境を使うしかなくなった。もう3ヶ月になるオンラインレッスンは耳も目も頭も疲れ果てた。現時点のテクノロジーでは、ライブはネット環境では難しい。せっかく仕上げた音楽が途切れたり、音が割れたりフリーズしたりとなってしまってはゆっくり聞けない。仕方がない。個々に動画を送ってもらい、動画を編集することにした。かれこれ30年近く先生業をやっているが、バーチャルリサイタルはもちろん初めての企画。
動画編集はアップルの「iMovie」というアプリのお陰で、最近では素人でも簡単にできるようになった。それも年々進化を遂げてさらに簡単になっている。私の力量では売り物にするようなオシャレな動画はできないが、「思い出作り」になる物はできる。モチベーションをキープするための大事な節目、そのための小さな目標。人前で発表するというのは、自己顕示欲を満たされて、同時に自己成長を促せるから最高のチャンス。コンサートがないと練習しない子は結構多い。(私も例外ではない!)中には楽しみを超えてストレスになってしまう性格の方もいるので、その場合は無理をしないように勧める。恥ずかしがり屋が急に反転して人前に出ることを好むようになるということも多々ある。きっとその小さな積み重ねが、将来の人格形成の一部になっていくのだと思う。
そこでとても大事なのは、完璧主義になりすぎてチャレンジをやめてしまわない事だ。人間のやることだから、完璧に近い完璧は目指すけれど、現実は全て自分の思い通りに行く訳にはいかないということも、受け入れなければならない。完璧が存在しなければ、中途半端も存在しない。その時その時にできるベストを尽くすだけ。
子供たちのプライバシーを守るために一般公開は行わないのが鉄則。参加者とそのご家族のみのプライベートリンクでシェアすることになる。
長女の高校の卒業式もバーチャルだった。ローディウムの駐車場で車の中から大きなスクリーン越しに顔写真と共に500人余りの名前が呼ばれた。ほんの数ヶ月前まで、誰がこんな世界を想像していただろうか。
https://youtu.be/xzd1xRQDHbw