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あなたは何で出来ている?

自分をコントロールするというのはとても難しい。自分を知るということは、本当にとても難しい。「無くて七癖」というくらい、自分を見ることは難しい。

自分のことが多少わかるようになったら、相手や他人のことを理解できるかというと、100%理解できるわけではないが、なぜ理解できないかということは、多少何も分からない時よりかは、わかるかもしれない。

 

昔むかし、まだ教え始めた自分もまだ学生だった頃、生徒の才能が見つけられなかった。生徒ができない理由も全く見つけられなかった。何がわからなないから出来ないかということが、全くわからなかった。だから何をどう教えていいかわからない。でも間違いか間違いでないかは指摘できた。それをどうやって導くかが、とにかくわからなかった。当時遊びに来ていた友人が、「あの教え方じゃ、生徒が嫌がるよ。”No"しか言ってないないよ。」と。全くあれは教えたというのではなかった。ただお手本を見せて、それをコピーさせただけ。

 

私が自分の事を余りにも知らなすぎた。自分探し。それから世界が変わり始めた。

 

色んな出来事や出会いから、色んな発見をして行くことになるわけだが、自分は何でできているかというのを、いつ結論付けたのかは定かではない。

でも、自分は『魂』『ココロー思考ー精神』『肉体」の3つで出来ているといつの間にか思うようになっていた。だから自分を知るということはこの3つ全てを理解するという事になると思う。

 

『魂』についてだが、これに関しては自分のレベル(性質)はわからない。それに一般的に言われているように、それ自体に上下があるのかどうかもよくわからないが、それは相対的にエネルギーの強さだったり、そういう事に置き換えれば違いがわかる。それから『魂』の透明度のようなものも、相対的にわかる。自分の透明度も、鏡の中の自分の目を見てもわかる。レベル(性質)に関しては生まれた時に運命づけられているような気がする。家族や、友達との関わり合いで、知らないうちに気がついてしまったこと。「前世治療」とかそういう事で、自分の魂の生い立ちを確かめる人もいるようだが、今のところ私は余り興味がない。類は類を呼ぶというところで、きっとこの『魂』レベルが作用していると思う。『魂』に関しては、出会いに感謝している事だけで、十分だと思う。お互いに出会った事、そしてその音楽、その曲、その楽器に出会った事に感謝する。

  

『ココロー思考ー精神』についてだが、これは正しく後付け。洗脳という言葉もあるように、人間の思考は言葉や環境によって操られる。心で何を思ったか、考えたか、何を見たかで、自分の能力や行動を決める。

音楽を教える時にはこの点で知識として経験を伝えられる事になる。

小さな子供は自分の周りの親や、先生、大人たち、そして大きくなっていくうちにメディアによって左右される。環境が本当にその人を育てていると思う。そして周りがどうであろうと、本人の意志がそれぞれの知覚神経からの刺激を選択する事になるので、環境的に望まないものを除外するという方法は理に適っている。大人になってその選択する技術を体得するまで、周りに振り回されることは続く。

もし環境を選択する自由があるなら、自分の理想とするところに身を置く方がいい。私の場合は実家を出るという選択をした。

それもできるだけ早く、できるだけ遠くへ。

 

『肉体』について。「健全な肉体に健全な精神が宿る」と聞いたことがある。でもこれはちょっと、生まれつき体が弱い人や、不運にも体を壊してしまった人、健康でない人もいるので、その言葉はそのまま受け入れられない。ただ、『体』を動かすのも『思考』なのだから、これらは自分の意志と繋がっていることが大切。

 

結局、私がとても大切だと思うのは、その3つのバランスが大事。『魂』の声を無視して『精神』を鍛えて『肉体』を鍛えても、やりすぎたり方向違いの努力をしてしまう事がある。国の為、世の中の為、人の為にと思って戦争兵器を作ってしまった、、、ということは、先代の天才たちが行ってきた過ちだ。

時には『精神』が強すぎて無理しすぎたあげく、『体』を壊すこともある。

体が強すぎて、『精神』の方が先に参ってしまうこともある。挙げ句の果てに自分を殺しにかかる、、、。

 

これらの3つの存在にふと気がついた時から、教えるという事が面白くなった。

その視点から個人を見れば、その個性より方向性を示すことが出来る。

 

私のところにレッスンに来られる生徒さんは、色んな方々。

年齢も職業も、目標も、人種も性別もみんな違う。楽器もまちまち。

これまで持っている知識や文化などのバックグラウンド、体型、体質、性格が全く違うのだ。

音楽というツール以外。

 それがこの『魂』『精神』『肉体』3つの軸をが共通の軸として指標を示すことができる。そしてそれらの接点がその人の中心。

そして私の中心を当てはめることができれば指標を示すことが出来る。

レッスンの時、はじめから軸がしっかりしている人や、自分と似ている人は割とわかりやすい。相手も私の説明を理解しやすい。楽器を操るということは、自分の精神世界を体を通して外に伝える事にある。だからその接点は本当に大事になる。

その軸が無意識だったり未完成の人にはその存在に気がついてもらうことから始める。それが意識できているという時点で、もう才能に恵まれていると言える。これは努力できる=努力する意味を理解していると言える。

 

 

よく、「あなたに教えられないことってありますか?」とよく聞かれる。「来るものは拒まず、、、」に見えるからかもしれない。色んな種類の楽器を教えているからかもしれない。だからと言って、私も誰でも何でも教えられるわけではない。

 

それは「音楽が好きですか?」の返事次第。

レッスン開始時に必ず確認すること。

 

「親や恋人に勧められて、、、」とか、「何か一つぐらい芸が欲しい」とか、「気がついたらずーっと歌ったり踊ったりしている」などなど、楽器を習いたい、音楽を習いたいと思う理由は様々だが、返事に困るような人だと多分接点が見つけられないから、お互いに長くは続かない。音楽が好きとか嫌いとかは多分『魂』レベルになると思う。『言葉=思考や精神』ではコントロールできないレベル。強制されて嫌いになったと思っていた人も、やっぱり好きだったと強制がなくなった途端に気がつく人はいるし、強制がなくなった途端に音楽から離れてしまう人もいる。何年も経ってから心の拠り所を求めて、音楽に戻ることもある。

 

教え方は様々で、何かメソッドをお持ちですか?と聞かれるが、あえて言えば

1)方向性を確認 (週間、月間、年間ゴール目標を意識させる)

2)方法、手段を選ぶ(経験から相手にその時必要な伝えるべき内容を絞る)

3)実際にそれを体験・練習してもらう

4)続きを私の指導なしで行えるようにプランをする(課題を渡す)

 

解説すれば

1)魂 

2)精神 

3)肉体+精神 

4)肉体+精神

 

 

 

「思い描いた音楽を、体を媒体に表現すること」

これが練習の意味。

思い通りに出来るようになったら練習は必要ない。

 

技術を持つとは、『魂』に嘘をつかず、『精神』『肉体』を繋げる方法と手段を体得すること。

自分の演奏に満足したら、技術を体得できたと言っていい。

 

永遠に終わることはない、、、。