今日、5ヶ月ぶりにバレエのエクスサイズに行って来た。今回は良いままで行っていたところとは違う先生のクラスをお友達から紹介されて、ちょっとドキドキだった。
ストレッチは全く歯が立たず、肩に力が入って上がってしまうことも相変わらず注意されたが、意外に、その他のことは割と覚えていた。というか思い出しながらやった。7年続けただけはある。
5ヶ月ぶりだったということもあるが、マスク使用での運動は予想以上にタフで、過去最高に滴る汗をかいた。終わってから車でマスクを取ったら、口の周りには塩の結晶が、、、。舐めたらかなり辛かった。
実は1週間前再開を決めてからというもの、プリエ(バレエの屈伸運動のような物)とルルベ(爪先立ちでバランスを取るポーズ)を日常に取り入れ、洗濯物をたたみながら、お皿を洗いながら、部屋から部屋へ渡り歩きながら、お料理をしながら、歯磨きををしながら、とにかく下半身を鍛えた。
今までも毎年夏に1ヶ月休んですぐにスタートした時の体の負担を考えたら、何もしないでクラスに参加するのは恐ろし過ぎたのだ。
たった1ヶ月の休み明けでも、急にスタートしたら、その日の午後は起きていられなくなるほど眠くなり、ふくらはぎは、パンパンになって、寝ている間も何度もつる。腰痛も起こしかねない。
でも良いおまけ付き!5ヶ月のコロナ騒ぎで3歳+になっていた体内年齢はこの1週間のプチ筋トレで、すぐにー2歳、若くなった。こんなに効果があるのなら、もうちょっと毎日やっておけばよかった。体内年齢加齢にビクビクして、食べたり飲んだりすることもなかったのに。
上半身のトレーニングがゼロだったので、左肩がもう少しで五十肩になりかけていたのに気が付かなかった。2年前に本当に痛い五十肩を右肩に一年半ほど苦しんだ。幸い最後の方でいい先生に治療法と原因を教わったので、左肩はその方法を使って全く上がらない、動かないという状況は、幸い避けらレそうだ。でもバレエをしなくては肩が回りにくくなっていたことにこの時点では気がつかなかっただろう、、、。
バレエも、子供の頃に習っておくべきスポーツ?芸術?という気もするが、大人になってやっても効果的だと思う。もちろんバレエダンサーになることは考えてもいないが、シンプルな動きに美しさをを得る事が出来たら、なんだか気分が良くなる。体を上下左右に分割し、それをバラバラに動かしながら、移動する。頭にも体にもすごくいい刺激。7年前までは、足を使って何かを表現するのはピアノのペダルくらいのことしかやった事がなかったので、本当に手間取った。かかとと、爪先の向きが変えたくても変えられないまどろっこしさ。鏡に映る先生や同僚たちの動きについて行けず、体を動かしている時間より、見ている時間の方が長かった。
それが汗をかける程、動けるようになったなんて凄い!と自分を褒めよう。
話をそろそろ今日のテーマに戻して、、、。
「何歳からピアノを習わせたらいいですか」と良く質問が来るので、私がいつも返事をしていることをお伝えしよう。
どの先生方にも、それぞれの教えるポリシーが違うわけなので、きっと帰ってくる返事もそれぞれに違いない。これはあくまでも、私の基準である「魂」「肉体」「精神マインド」この3つのポイントから実際はその方が習えるかどうかの答えを出す。これが整っていたら、年齢は関係ない。
趣味としてではなく、将来仕事にしたいと思っているのであれば、20歳から働き出せるように、演奏技術と人間術(コミュニケーション能力)を習得できるように早いスタートの方が好ましい。でも早く始めても、練習量が少なかったり、または詰め込み過ぎて体を壊したり、精神を病んだりしては元も子もない。平均的には2000時間の練習でセカンドネイチャー(自然にあまり考えなくても自動的にできるように)になると言われている。言語の習得に近いとも言われている。その間にどんなことを、どんなふうに学ぶかというのは、それも語学に似ている。
チェックポイント1「魂」
「音楽が好きですか?」
これは理屈ではない。小さなお子さんに親御さんが習わせたいという理由にここに一番に重きを置いてほしい。よく歌っている。よく音楽と一緒に体を動かしている。よく聞いている。よく見ている。この辺りが観察どころ。
チェックポイント2 「肉体」
「幼稚園年長さんの入学準備は整っていますか?」
鉛筆やマーカーで色塗りができ、自分の名前を書く事が出来る。
歌を3曲以上歌える、または見様見真似で3曲弾ける。
数字を1から10まで言える。10から1までカウントダウンできる。
カレンダーの曜日のサイクルが理解できる。1週間7日、ドレミファソラシ7音。
12月が1年というサイクルを理解できる。1オクターブは12音。
指図に従うことができる。
チェックポイント3 「精神」
「独立精神、忍耐、集中力がありますか?」
ピアノに30分ほどじっと、座っていることが出来る。
大人なしで、一人で集中して遊ぶことができる。
コンサートの本番では、人に手伝ってもらうことはできないから、独立心はとても大切。練習も親御さんの手を必要としなくなる年齢はまちまちだが、できるだけ精神的自立を目指す。
レッスンでは1)人の意見を素直に聞ける。2)自分の意見をしっかり伝えられる。その両方がある方がいい。将来いつかは先生という存在がなくても自分の力で音楽を楽しめるようになるために。人と人の関係だから、お互いに医師の疎通がスムーズに行く。
これらの項目が揃っていれば、いつでも始められるが、バランスよく整うのは平均5〜7歳と言われている。3歳で準備が整っている子も中に入るし、10歳でやっと整う子もいる。整っていなくても始められるが、周りの大人も本人もかなり頑張らなくてはならない。子供に自我が目覚める前に始めさせたいという親御さんもいる。逆に早く自我が目覚め過ぎて、大人のコントロールが聞かない場合もある。反抗期に音楽から離れて後悔してしまった親御さんの場合も然り。
子供に振り回されないように。そして親や先生も子供を振り回さないように、子供〜親〜先生のチームワークでバランスを取っていく。
大人の場合はほとんどが整っているので、あとは本人の意思、または先生の意思次第になる。
「他の先生に見てもらえないので、お願いします」というケースが、大人の場合も、子供の場合もたまにある。特に覚えることが苦手、人前で必要以上に上がってしまう、、などの隠れLD (Learning Disorder) のケース。これは自分の娘を見て気が付いたことだが、音楽が本当に好きな場合を除いては、そんなにがんばらなくてもいいように思う。音楽以外にも自己表現の場はある。でも「他の先生に見て貰えないので」と頼まれてしまうと、「ではやってみましょうか」ということになる。
音楽は順番に音が流れているのでその順番や音の大きさ、スピードを覚えて、その通りに出すという訓練や作業が好きなら大丈夫、嫌いならやる意味があまりない。
だからとても耳がいいという肉体に恵まれていても、声がいいとか、指が長い、リズム感がいい、反射神経がいい、手が大きいなどの肉体に恵まれていても、それを表現するための技術を肉体に覚えさせなければならない。仮に耳があまり発達していない人でも、やっていくうちにかなり良くなるし、覚えられない人でも、読む技術を頑張って習得すれば読みながら演奏も可能になっていく。リズム感が多少弱くても、数字でリズムを数えられるようになったら、理屈で音をはめることもできる。読む技術も覚えるに変わりないが、物事の前後に混乱を起こしてしまう人、上下に混乱が起こってしまう人、連鎖を覚えられない人も、ポイントポイントで音とからだが繋がっていれば、それを辿ることで、音楽らしくなっていく。
その人その人で得意なところから始めたらいいと思う。
五感をフル活用すれば、出来ないことは実際ない。
『千年医師物語』シャーマンの教え ノア・ゴードン著
この小説には耳の聞こえないハンデを克服する医師が出てくる。小説だから、、、だけれど、ピアノの音を、ピアノの振動を手から感じることによって、音の高さを当てられるまでになる。もちろん聴診器から聞く音は普通の医師が聞く音とは違うかもしれないが、そのトレーニングから患者を診断することができるようになる。
「何歳からピアノを始めたら良いでしょう?」
の質問の答えは、一言でいえば
「本人が習いたいと思った時」