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姉妹愛

3姉妹と両親。家の中に集まる小さな社会。

小さな頃は各家族で大人2人に子供3人。

いつも誰かが我慢すると言う事が当たり前だった気がする。

母のだっこやおんぶは、いつも2歳、4歳下の妹たちに取られてしまっていた。

 

末の妹が生まれた時は母方の祖母が、私とすぐ下の妹を世話してくれたのを覚えている。ほとんど何かを買ってくれた事はないが、その日どこかの売店で、赤と白の花の髪留めをひとつずつ買ってくれたのを覚えている。私達を励まそうとしてくれたのか、おめでとうの代わりだったのか。祖父にお酒を渡すまいと、一升瓶を引っ張り合いしている時以外はいつもニコニコで不機嫌だった事がない祖母。祖父はお寺の住職だったが、素面の時は見た事がない、、、。私たちが行く時はいつも仕事が終わった後が多かったからベロベロに酔っていた。山形の田舎から、名古屋に修行に出て、そこから静岡県の西部にある小さな町の住職になった。祖母の父にあたる曽祖父は、芸術家肌の自由人だったらしく、お寺を置いて、蒸発してしまったらしい。祖父は祖母のところに婿入りした感じで、ついでに隣のお寺も住職さんがちょうどいなかったので、引き受けたらしい。

檀家さんに、よそ者が認めてもらうのは相当大変だったらしいと、聞いた事がある。村役場でも働き、畑でネギを作って出荷し、檀家さんに認めてもらうまではその大変さを紛らわせるためか、元々東北出身だったから酒豪?!なのもあったかもしれないが、とにかく母方の兄弟はみんな、集まるたびに、浴びる様に酒を飲んでいた。後を継いだ叔父の代は、畑も役場仕事もしていなかったが、仏教大学で教鞭をとっていた。

 

この祖父の父にあたる曽祖父の存在は、私たち家族に勇気をくれる。

非識字の独学から身を起こして、教育の無かった村に小学校を作った那須亀治。 

明治10年、西南戦争で徴兵され流れ弾で動けなくなり、入院したところで、将校からイロハを習い、自分の名前を習い、教育の大事さを祖国に伝えたく、隣村での学校で用務員として働きながら、自ら学び、明治18年に30歳で私財を投じて初校長となり、18人の生徒を自ら教え始めた人。www.shonai-nippo.co.jp/square/feature/exploit/exp170.html

 

もちろん、世の人のために尽力を尽くしてくれたたご先祖様には誇りに思う。日本は文盲率1%と言う素晴らしい国にしてくれたのは、でも、それ以上に、20歳を過ぎても読み書きの勉強をゼロから始め、教えられるようになったと言う事に、成長のゆっくりな娘を見守る私は、一番励まされる。

 

今週木曜日から、トーランス、LA地区は特別支援組は、学校が開校される。準備段階として1番初めのブレンディングだ。パンデミックの状況次第で、またクローズになるかもしれないが、朝の3時間だけ授業がある。スケジュール表を見たら、30分事の授業が3回で、あとは休憩、準備時間。今までのZOOMも日に3回、30分のミーティングだったので、変わらない。

ただ、学校の勉強以外は年相応の思春期、反抗期真っ只中なVitamin Eは、私の言うことを聞かない。学校のZOOM にも顔を出すのを嫌がり2週間ほどは欠席する日もちらほら出始めたところ、、、本当に学校が始まってくれて助かる。

 

Vitamin Eは、年相応の友達が出来ない。クラスメートはみんな不思議ちゃんばかりだから、話が合わない。顔見知りの子たちが、みんな仲良しそうにつるんでいるのを見て、いつも羨ましそうにしている。話相手はもっぱら私。でも学校の勉強のことはとにかく私から逃げる。とうとう宿題も無いと言い出し、(もちろんオンラインで調べれば宿題が出ていることは百も承知)宿題の出し方もわからないので、先生から宿題が届いて無いですよ!と連絡が入る。

スピーチセラピーのクラスだけは先生がリンクを送ってくれるので、迷わず入れるのだが、担任の先生のクラスは3回とも違うアドレスに入らなければならず、どの時間にどの部屋に入ればいいのか分からなくなってしまう。(あの長い桁数のROOM NUMBER

の違いがわからない)そして私が手伝うのを嫌がるので、手伝えない、、、。

なぜか、学校からの連絡が夫のメールに届くようになっている。私はVitamin E に届くメールに目を通す事ができるので、先生が他の手段を、、、と思ったのかもしれない。でもこれはVitamin Eにとっても逃げ場を塞ぐ事になる。私のことは舐めてかかるが、父親はなぜか怖いらしい。トラウマだ。小さい頃読み書きができなくて(今もだけれど)それがわからなかった夫は夜中の3時まで日本語補修校小学一年生の国語の宿題の同じ文章問題の質問を繰り返し読ませていた。この時悟った。これは何とかしなければと。

 

どこまでできて、どこまでできない、、、と言うのはとても判断が難しくどこまでが甘えでどこまでが甘えで無いかも難しい。

さっきも眠れない、、、と言うので「本でも読んでみたら?難しいと眠くなるよ」と言って見たら、ドラえもんの百科事典漫画を持ってきた。でも、もちろん絵を見るだけ。本人曰く「字が多すぎて目がグルグル回る」のだそう。1マスずつ読んでみたら

と言ったら、声に出して読んでいたけれど、1ページも読みきれなかっただろう。

 

これまでも、色んなスペシャリストに通って、いろんなことを試みたり聞いてみたが、学校の勉強を年相応、人並みにすると言うことは考えない方がいいと言う結論を私なりに出して、ストレスのない環境で、必要なことを学ぶべきだと思い、今の環境に入れた。

人に迷惑をかけるわけでもなく、どちらかと言えば人懐っこい性格。将来独り立ちさせる事が目標の子育てで、人と交わることを教えるためには、やはり今のままではちょっと不都合が出てくる。私の説明や、学校の勉強などは、言うことはちゃんと聞けば理解できるようになってきている。今彼女に吸収させたいことは沢山ある。

目指せ脱スペシャルクラス!

 

昨日もVitamin Eはヘソをまげ、一緒に出かけることを拒んだので、Vitamin Aとデートになってしまったが、たまには親子関係の修復に必要な時間かなと思う。べったりする事も、距離を置く事もどちらも。

大学生になってしまって、こちらはまた人一倍友好関係が活発なA。ほとんど家に居ないのでは?!と自粛生活を送っていない彼女に、何とか家にいる理由を作りたかった。またいつも妹ばかりを可愛がって、、、と、焼き餅を焼いているのを知っているので、今週末迎える誕生日が近い事を理由に誘い出し、サービスして色々話す。上は上で、学校の事や友達関係のことなど色々心配だったけれど、やはり根本的なところで違う。その違いについても私のできる範囲で説明して見た。

 

そして結論を言えば、Vitamin A がVitamin Eの家庭教師を引き受けると承諾した。昨日まで、ほんとに妹が普通の子供だと思っていたらしい。なぜ普通のクラスに行かないのか疑問に思っていたらしい。でも、その日のスピーチセラピーを一緒に聞きながら、自分の8年生の頃と比べて、差を明確に理解した。Eのスピーチセラピーは、文法なのだ。「物語を作ったり書いたりしていたのを思い出した」と言っていた。同じ頃、スピーチセラピーのお誘いを受けていた長女は、そんな話は自ら蹴るような子だったし、私もちょっと順序立てて話すのが苦手とか、論理的ではなく説明が上手ではないとか、声が小さいくらいでセラピーに行かなくてもいいじゃないかと思っていた。

今までどんなにお願いしても宿題を見たりした事がなかった彼女には、妹に対する愛がないと思っていた。でも、彼女自身がその差を知った途端に、心から助けたいと思ったらしい。

 

5歳違いなのに、今まで対等に本気で喧嘩をする事もあれば、時には妹は姉に憧れているから、何をされても、何を命じられても、言うことを聞いている事もある。私には反抗するEも、携帯一台ずつ壊した事件以来姉には服従。そして2人でデートの時は必ず留守番の方に気を使い何かお土産を持って帰ろうとする。コロナのおかげで見たくないバトルも数多くあったが、学校が始まってからは2人の間の愛を垣間見るチャンスが増えた。

 

もう私の出番は終わり。もちろん手伝ってほしいと言われたら手伝うが、何がなんでも私でなくては、、、と言う時期は過ぎた。10歳で人格が整うと思うから、(個人差があって3歳±誤差有りだけれど)今後は、Eは彼女の意思でしか事が運ばないと言うことを学んでいく時期だと思う。全ては自己責任。

幸い2人の言語能力は会話に関しては英語も日本語も同じよう位操れるから、どちらの言い方でも説明出来る。英語でわからないことを教えるのは、私が教えるより好都合。バイトを探していた長女にとっても好都合。

 

正式に雇った。

 

ミッションは宿題を提出させると言う事。

ルールは、仕事中は携帯を使わないと言う事。

 

早速授業が始まった。2人は私が後ろから見ていることを喜んでいる。

Aは遊ぶ時間を削っているので、短時間で教えようとする。ちょっとでも気をそらす隙を与えない。今日の課題は「個体、液体、気体」の説明をする内容だった。それも色んな例え話を交えて教え、時には道徳的な事もズルはダメだと教え、「普通クラスに戻れるようにしてくれる」とVitamin Eは嬉しそうに期待に応えようと頑張る。もちろん、「頑張るのは本人だよ」と伝えたが、ちゃんと努力したらいい事があると言う希望を与える事が出来ている。

 

私のこれまでの偏見で、Vitamin Aは忍耐もないと思っていたし、集中力もないと思っていたが、実はそのどちらも持っていて、優しさと厳しさ、興味を持続させるスピード、(実は2人とも早過ぎて手際良く話さないと最後まで話が聞けないタイプなのだ)素晴らしく妹の思考回路とレベルのことを理解している。考えを導き出すように誘導するのも上手だ。こんな影なる才能を垣間見られて嬉しかった。本人がそこに気がついていたかどうかは?!だけれど、あと2年弱、家にいる間は、家庭教師を引き受けると言った。人から教わるのが大嫌いなA。成績伸び悩み中は、人の力を借りて見たら?と何度も勧めたけれど、結局数回でいつもバイオリン以外の塾や習い事の類は全て辞めてしまった。出来ない理由は自分がわかっているから、習わなくて良いといつも言っていたわけだ。

 

今まではお互いに家族同士皆に甘えがあって、言うことを聞かなければ教えないよ、、、と言うパターンだったのに、、、完全にその枠を超えていた。何とかして、何とかするんだと言う意気込みが違う。テクノロジーにも強いから、操作を教えるのも上手い。習う方も、そう言う手順はすぐ覚える。同世代が良い。未提出の宿題の出し方から、手際よく消化している。

 

大人になっても、助け合って生きて欲しい。