音楽を勉強したい。楽器を習いたいと言う方が、初めて私の所に来ていただく場合、必ず用意していただくものがある。
それはジャーナルが書き込めるノート。
これには毎回のレッスンでお話ししたことを要約して絵を書いたり、勉強中の内容を書いたり、宿題の曲目からTo Do List の容量でお家での練習記録などを記入してもらうことにしている。
レッスンノートをつける理由は主に二つ。
一つは一回ごとのレッスンでの内容を覚えていて欲しいこと。
二つ目は、自分の練習内容や目標を視覚化すると言うこと。
音楽の練習は目に見えないし、形に残らない。
練習していて、どこが上手になったのか、何が問題でうまく行かなかったのか、どのくらいの時間を何に使ったのか、などなど言葉や数字で残してもらうことにしている。特に初心者の方は、何をどうやって良いか分からないので、ケースバイケース、必要なだけ細かく必要なだけ指示をする。
主な記載内容は
Home Work 今週のゴールを設定ー次のレッスンで聞かせるための目標
内容 Step 1 ー譜読み(音名、リズム、指遣い、テンポ、強弱)
Step 2ー ゆっくり(ピアノの場合は片手づつ、または声部毎)
Step 3ー止まらないで
Step 4ー表現したいテンポまで上げる
Step 5ー暗譜
Daily Record
毎日どの内容について取り組んだかわかるように記載してもらう。ノートの書き方は人それぞれで構わないが、できれば、1週間分の頑張りが一眼でわかるように書き込めたら良い。練習時間、お天気、やる気具合など一緒に書き加えると自分の蛍光と対策も見えてくるかもしれない。
Notes
そのほかには、これからやってみたい曲、聴き比べたミュージシャンの名前やテンポやリンクなどを書き込んだり、主に注意を受けた場所などを書きこんだりしても良いと思う。 姿勢に注意、、、頭はもう少し高い場所に、、、とか顎は引いてとか、右肩下げて、、、肘を上げて、猫背を治して、などなど、人によってそれは様々。
Reminders
スケジュールの変更、今後のパフォーマンスの目標とするイベント、オーディションのスケジュールなど。
初めは毎日の練習を習慣化するために使う。
子供たちの場合は、この頑張りによってご褒美も作る。
宿題の量や目標設定は本人と先生との間で交わされる約束のようなものだから、多過ぎたり少な過ぎたら、先生と話し合って自分なりに次の週で加減する。
4−5年勉強を進めてた中高生になってきたら、ほとんど自分で書けるようになる。
この手のノートが好きなタイプと苦手なタイプがいる。宿題内容を全て把握し、段取り通り自己学習ができる人は、全て書かなくても大丈夫。でも、ふと昔を振り帰った時、「あの年のあの曲を弾いた時、どうやって弾けるようになったんだっけ?」と言って思い出せる人はあまりいない。ほとんどの場合無意識で練習してしまうからだ。本当に失われない技術を身につけたいと思ったら、体と心と頭(知識)を意識的に繋げる方法を学んで欲しい。
そのために、このノートはきっと将来役に立つ。
オーボエの生徒は、これらと並行して、リード日記もお勧め。
その場合注意して欲しい項目は
1、ピッチ
2、発音
3、ダイナミック
この3点。
どの場所を削ってどの項目がどうなったか、、、と言うヒストリーを付けていく。時にはリードのシェイパーのサイズが違ったり、開く具合が違ったり、天気によっても変わるので、注意深く調整する。既成リードの調整にも、ヒストリーレコードをつけた方がいい。
自分でリードを作る場合は、上の3つの項目に進む前に
1、ガウジング前のケーンの直径のサイズ
2、ガウジング後のセンターの厚さ
3、使っているチューブの長さと形
4、シェイパーのメーカーとサイズ(wide,medium,narrow)
5、材料の柔らかさ、硬さ(Soft,Medium,Hard)
6、全長の長さ、削っている部分の長さ
これらも記載するといいと思う。ソロ向け、アンサンブル向け、オーケストラ向け、
夏に鳴るリード、冬に鳴るリード、、、などちょっと変化も見られると思う。
自分を客観視する練習。成長させる道具。