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マインドフルネス=気付き=呼吸法

「マインドフルネス」という言葉、この頃よく聞く。

いろんな本やアプリも出ている。

落ち着いて、不安から救い、集中力がアップして良いからと、エクスサイズも紹介されている。

 

いったい、何がどうなって、どうなりたい?

何が目的?

 

ずっと気になっていた事が、今日スッキリした。

メンタリストDaiGo さん(心理学、科学などの方面から経済や多方面に渡って解説動画チャンネルをやっている)というユーチューバーが書いたマインドフルネスの本。気になってはいたのだが、オーダーする前に、本を15分で要約解説をしてくれる動画チャンネル(サムの本解説ch)で紹介してくるリンクが出てきてしまったので、ついついそれを見てしまった。

 

そこで、本当にスッキリよくわかった。(この方の解説動画、本当に素晴らしい!)

マインドフルネスというのは、「気付き」のことで、自分の状態について気づけていること。つまり一つのことに意識集中している状態のことを言うのだという事が。そしてその状態になれる時が一番幸せだという事。その練習は家事をしているときや、食事中、シャワー中、お料理中、散歩中、、、いつでも出来る。

要は今に集中している状態だと、過去と未来の不安から一切解き放たれて、今ある自分の全てを感じることができるという事。

瞑想する事が目的なのではなく、瞑想などを通して意識を開拓し、今に気づく(いまに意識を持っていく)トレーニングを行いましょうという事だったのだ。

 

自分がそのトランス状態・集中状態のようなところに入ることを、「どこでもドア」で部屋を移動するという表現を最近した事があるが、その働きを司る脳の場所が「前頭前野」と呼ばれる場所。意識散漫になってしまった時それをコントロールするトレーニングをすれば、その「前頭前野」を鍛えることにつながり、その部分で司る多方面の分野でメリットがあるそう。

 

マインドフルネスが注目される理由〜前頭前野を鍛えると良い事がある!の例

  • 脳が疲れにくくなる
  • 頭が良くなる
  • 集中力、記憶力が良くなる
  • メンタル安定
  • ストレスに強くなる
  • 幸福度が上がる
  • ポジティブになる免疫力が上がる
  • 共感力、コミュ力が上がる
  • ダイエット効果

反対にマルチタスクはマインドフルネスと反対のことをしていることになる。その「どこでもドア」を開けていろんな部屋を行ったりきたりすることになるので、実は脳がとても疲れる。だから、マルチタスク(ながら行動)は避けて、できるだけ一つのことに集中する練習をして、脳の働きを効率化すると、結果的成果を上げるということに繋がるらしい。

 

マインドフルネスで、一番有名なトレーニング法は、呼吸瞑想法。どのアプリでも、この方法が、真っ先に入っている。

これは自慢ではないが、管楽器奏者はみんなやっている。というか、この技術がなければ多分楽器を吹く事ができない。

 

ただ、「息を吸って吐く」

 

これだけのことだが、楽器を演奏する場合はスピードと量を計算して、意識的にコンスタントに行うことになるので、やはり訓練がいる。

マラソンなど長距離を走った事がある方は、足の歩幅と息の出し入れを合わせてやる方法を教わった事があるかもしれない。『吸って、吸って、吐いて、吐いて、スースーハーハー』などのように。

水泳をやる時も同じように、手を何回掻いたら一度息を継ぐなどというように、息継ぎを習った。(実は小学生の頃水泳部だった)

 

吹奏楽器も同じように考える事ができる。ただ、いつも同じリズムで曲が流れているわけではないから、フレーズごとに息の長さや量を調節しながら、曲の盛り上がりに合わせて、息を形作りながら、音に変える。正しく息と時間の芸術!!!

 

ここで私が生徒と共有している呼吸のトレーニング法体編実践編に分けて紹介したい。

 

呼吸に最適な体姿勢の作り方 

肺が一番少ない筋肉で大きく膨らむ場所に、背骨と肋骨を持って行く

これは、実はバレエや他ダンサーの姿勢に学ぶ事ができる。彼らの上質な一見華奢に見える小さな肉体は、いかに少ない筋肉で、体の重い骨をうまく支えて、体をしなやかに動かす事ができるかということに重点を置いている。

楽器を演奏する場合も同じ事が言える。大きな筋肉は酸素を消耗してしまうので、なるべく筋肉を使わないでリラックスした呼吸をする事が、酸素を有効利用すして、息を持続させる秘訣。

 

ステップ1;重力をうまく利用して、真っ直ぐ立ち、体の中心を見つける

頭を一番高いところに一旦持って行き、真っ直ぐ立つ。

真っ直ぐ立つというのは結構難しい。鏡の前に立ったら肩は左右どちらかに傾きがちだし、横から見たらお腹がぽこっと出たり、お尻がぽこっと出たりする。その癖を矯正しながら真っ直ぐ立って見よう。どこが真っ直ぐかわからない場合、目を瞑って左右に体を何度か反復移動しながらゆっくり動かして揺れ幅を小さくしていく。だんだん左右の真ん中が見えてくると思う。(体の中にだけれど)

その後は前後にゆする事もやってみる。足の裏は地面に付けたまま、体重を爪先がわと踵側に交互に体重を移動させる。体重移動幅を小さくしていくと、そのうちくるぶしの裏側、土踏まずの山の天辺あたりに中心が見えてくる。(これも体の中側に見える感じ)

 

ステップ2;肋骨を意識しよう

体をなるべく左右対象に開き、肩甲骨と肋骨とが平行になるようにする。

肋骨の一本一本の間隔の広がりがアコーディオンの蛇腹の動きのように感じられればOK。感じられない場合は平らな床に仰向けに寝て、背中の腰の上あたりに掌が通るほどの窪みができていないか確認する。そこに大きすぎる窪みがあると(背骨はふつうS字形になっている物だが)肋骨が開くことが出来ない。肋骨の中に肺があるので、肺の膨らむ場所を確保してあげる感じ。または立ったまま、平らな壁に腰から後頭部までピタッと付けて確認しても良い。背中に掌が入りにくくなっていれば、OK。実は腰骨の角度も関係してくる。その角度によって、下腹部のサポートができるかが、決まる。横隔膜の筋肉を下げ続ける筋肉と肋骨を広げる筋肉、そして方まわりの筋肉、それらは全部つながっているからだ。坐禅を組む瞑想のポーズでも楽器を吹く練習でなければ大丈夫。自分は車の運転中に信号待ちの時など、呼吸法の練習をする事がある。

 

実践編 

呼吸の間隔(回数)と量のコントロール

 

まずは単純なリズムで、コントロールができる速さでやる事が大事。

まずは鼻から吸って、口から吐く。

鼻から吸うことは風邪をひいている時やアレルギーの方は難しいかもしれない。でも、鼻呼吸をしている人の方が、バクテリアの侵入はかなり防げれるらしいので、病気の予防にはなる。私もが楽器を吹いていない時は意識して鼻呼吸をする。

このトレーニング中、口から吐く時は、唇の隙間を軽く開けて、前歯を軽く閉じ、隙間から息の音を感じられるくらいにするのが望ましい。それによって、より息を意識して行う事ができる。実際管楽器を演奏される方は、ステップ2から鼻から吸っていたところを、口と鼻と交互に行うと良い。

 

ステップ1;一定のリズムで等間隔で吐く、吸うを行う

例えば2秒吸う−2秒吐く−2秒吸う−2秒吐く−2秒吸う 

慣れてきたら、3秒、4秒、6秒8秒間隔に伸ばして行く

 

ステップ2;息を吸う時間を短めにして、吐く時間を長くして行く

例えば2秒吸う−4秒吐く−2秒吸う−4秒吐くを繰り返す

慣れてきたら、吐く時間を8秒、9秒、10秒と長くして行く

実際楽器を吹く場合は一度吸って、一息で30秒から1分音を出している事もあるので、最終目標は、短い時間で出来るだけ多くの息を吸い、長い時間吐くということを意識して行うことになる

 

ステップ3;息の量やスピードを調節して行く

この練習は、音の強弱(小さい音や大きな音)の変化を自由に行う為に必要なことになる。息の量に応じて1、2、3とレベル分けをして、自分の息がどのくらい出ているか確認しながら行う。初めは、1、2、3、2、1、という感じで動かして行き、だんだんその一番大きな数字が4、5、6、7、8、9、10と、増やしていけば長いフレーズを吹く事が可能になる。

ビブラートはその数字の大きさの波で作られるので、この練習はビブラートの練習も合わせて出来る。

例えば1、3、1、3、1、3、1、3、2、4、2、4、2、4、2、3、5、3、5、という量を早く動かせばビブラートになる。

 

 ステップ4;楽器を持つ 自分の呼吸体はそのままで、楽器を自分に近づける

そして呼吸に関する全ての筋肉と骨の場所をキープして他の必要な箇所を筋肉を緩めたまま動かしていく。

 

 楽器の呼吸法がマインドフルネスの練習法と繋がっている!

楽器が癒しになる理由の一つなのかもしれない。